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アイコンと書かれている部分を image(画像URL,title=画像名,linkpage=図鑑/カード名)とすると 画像リンクを張ることができます。 image()の詳しい使い方はこちらのガイドを参考にしてください。 名称:テンプレート1 レアリティ:☆1 アイコン編集 タイプ・属性 火 レベル 1(10) 入手先 入手先1入手先2入手先3 成長タイプ 普通 攻撃 100(1000) コスト 1 防御 100(1000) 売却価格 100 スキル スキル1
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雑談などでよくある質問をまとめています。 合成・編成について質問1 質問2 ストーリー・クエスト攻略質問1 質問2 その他質問1 質問2 [部分編集] 合成・編成について 質問1 回答1 質問2 回答2 ストーリー・クエスト攻略 質問1 回答1 質問2 回答2 その他 質問1 回答1 質問2 回答2
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前回の話 私は、提督に叱られてから素直に自分の部屋に戻って布団に身を預けていた。 隣の布団では姉が憑き物なさげに寝息を立てているけど、私はその姉のようにはなれないでいた。 横になると再び緩んできてしまう涙腺から流れる一粒の涙を拭う気力も起きない。 ――私、提督に嫌われてるのね―― 自分でも忘れそうになるが、私はこの鎮守府では最古参の戦艦だ。 提督が言うには初めての戦艦らしい。 まだ不慣れな様子を隠し切れていない提督が物静かに挨拶し、手を差し伸べてきたあの頃の記憶も、 今では忘却の危機に晒されている。 その頃のここは私以外に戦艦はいなかったし、姉も含めて幾つかの戦艦が私より後に建造されてきた。 艦が多く増えていくまでのしばらくの間、秘書艦として提督の補佐をしてきた経験もあるが、 その記憶もまた崖っぷちでつま先立ちしているような状態だ。 何せ、記憶に留めておけるほど特徴的な出来事があったわけでもない。 あの頃の私は執務に慣れようと奔走するのに必死だった。 対して不慣れだった提督の姿を見れたのは極短期間で、その後は仕事人間と言える性格の全貌を露わにした。 それから私達の関係はいつまで経っても上官と部下でしかなく、淡々とカレンダーを捲ってきた。 そしてある日を境に、秘書の座を降ろされたのだ。 私にとってはもうそれなりに執務や出撃に慣れることが出来ていた頃で。 さあ明日も頑張ろうと思っていた矢先、めっきり艦隊にも招集されなくなった。 この鎮守府に配備される時期が私より遅れた姉はその後も暫くは持ったが、 やはり私と同じように艤装を部屋の置物にせざるを得なくなった。 それからの提督は、私達より性能の良い戦艦を招集するようになって行って、今に至る訳だ。 ここまで鑑みて、私が提督に好感を抱かれていることを決定付ける出来事が全く無かった事に気付いた。 救いなのは、提督がその後継の戦艦組にも私と同じような態度で接していることか。 果たしてあの提督が感情を心から溢れるようにして曝け出す相手がこの鎮守府にいるかは永遠の謎だが、 それでも今日の提督の仕打ちは私にとってかなりショックな出来事となった。 提督は私達艦娘を部下としか見ていない。 好き嫌いの感情はない。 私の中で長く保ってきたそういう前提が崩れた。 あんな提督だって男の人だし。 対して私は女。 艦としての性能は欠陥レベルでも、人格の方くらいはまだ並に自信を持っていたのだ。 それなのに突き放されるなんて、滑稽の極み。 提督の局部は反応を示していたけど、今思えばそれは私の与えた刺激がそうさせただけだったのだ。 興奮していた様子は微塵もなかったのだ。 あの提督は性欲基準で物を考えるタイプではないことを失念していた。 あの場面までいってなお提督に鬱陶しがられる、と言う事はやっぱり。 嫌われている。 「……っ」 いつもの口癖も出ない。 ただ、これは提督に嫌われている事がショックなんじゃない。 提督に嫌われているということは、艦だけでなく人格の方も欠陥があったということを示しているのだ。 それがショックだから、涙が漏れているのだ。 ……そんな有様でも姉だけは心から信頼できる唯一無二の味方だ。 姉が私を受け入れてくれれば、私は艦底の下駄を脱いで海に身を投げる気にならなくて済むのだ。 話を戻そう。 不幸のどん底で姉だけは私の事を受け入れてくれるが、私はそれだけでは我慢できなくなっていた。 不幸のどん底で互いの傷を舐めるのは、 不幸の底なし沼に一人で沈む事と相対的に見れば幸せかもしれないが、 絶対的に見てしまうとそんな訳が無い。 私はこの現状では満足出来ていないのだ。 あの鎮守府で提督とケッコンカッコカリを行った艦の話を思い出してみる。 毎晩提督と夜戦をしている。 それはとても幸せな事だ。 夜戦とは具体的に言えばこうこうこういった事をするのよ、と言っていたが、 経験のない私は話の内容を半分も理解できなかったように思う。 とにかく、まずはやってみるだけやってみようという突っ切った考えの下私は動き、 自分で自分を近代化改装させるべく提督に夜這いをかけた。 不幸の渦中にずっと巻き込まれ続けた私にとっての幸せが何かなんて、もうよく分らない。 いくら考えても纏まらず、思考はぐちゃぐちゃになっていくだけだ。 だから、提督に拒まれてお説教されたところで自分の意志は変わらなかった。 藻にも縋る思いの私は、 提督と夜戦をしてみれば何か状況が変わるはずなのだ、という短絡的な思考しかできなくなっている。 提督の出した罰は何だったっけ。 山城にとっての幸福を考え直せ、と。 ならば、私はそこに抜け穴を作ってしまおう。 適当にでっち上げて、提督と夜戦する事が私の幸福なのだとでも説得してしまおう。 「もうやめさせないわよ、提督……」 私は、深く布団を被って目を瞑った。 …………………… ………… …… 次の日。 提督の元から現行の秘書が離れた晩の頃を見計らって、私は執務室の扉を叩いた。 「入れ」 「失礼します」 命令が下りたので扉を開け入室する。 提督は依然として執務に励んでいるようだった。ご立派なこと。 フローリングの木目の奥の執務席に鎮座する提督は、私の顔を見てなお顔色を一切変えず問いてくる。 「どうした」 「昨日の事で話があります」 私は提督の執務卓の前まで歩き、提督を見つめた。 それから、赤いスカートの上で両手を重ね、深々と頭を下げる。 「まず、昨日は迷惑をかけてしまって、すみませんでした……」 「……嗚呼。それについてはもう気にしていないから大丈夫だ」 部下に気を遣ってのコメントなのだろうけど、 私はこれを"お前のあんな醜態なんか思い出したくない"と言っているように解釈してしまう。 手が痺れるように震えるが、我慢。 本題はここからで、うまく提督を頷かせなければならない。 書類を提督宛に書き上げてポストに投函する選択肢は、私にはなかった。 直談判でないと押し切れない気がした。 「それで、昨日言われた通り私にとっての"幸福"というものを考えてきたので、お願いがあります」 「何かな」 「まず一つ。私をもう一度主力艦隊旗艦に、そして提督の秘書艦にさせて下さい。 二つ。扶桑姉様も随伴艦とさせて下さい」 私は嘘の理由で象られたお願いと、本心からのお願いを並べ立てる。 そして、一間置いて本質のお願いを述べる。 「三つ。提督は私と、や、……夜戦をして下さい」 軍帽のつばの下に潜む、まるで値踏みするように鋭くさせている目を見つめる。 提督はペンを握ったまま瞬き一つしない。 何を考えているのだろう。 数秒待ったが、何の反応もないので再度私は頭を下げる。 目を瞑って祈るように懇願する。 「お願いします」 「……頭を上げてくれ」 言われた通り頭を上げる。 提督はペンを置き、軍帽のつばで陰っていた目元を、顔を上げることで明かりを受けていた。 提督は机に肘を突いて顎を手で擦り、まだ値踏みするような訝しげな目をしている。 「山城にとっての幸福が何なのかは聞かない。 最初の願いは受け入れよう。 次の願いは出動目的や資源のあり方で毎回はできないと思うが、努力はする。 だが……」 戦艦タ級に特攻をかける位に後先考えず放ったのだが、嫌われている割には意外にもすんなりと通ったものだ。 ほっと安堵するのも束の間、最後の回答を待つ。 提督は作戦を編み出すのに行き詰まった時のように軍帽を脱いだ。 心底理解が出来ないという様子だ。 提督は私の内を覗き込むように首を伸ばして目を凝視してくる。 「最後の願いは本当にお前にとっての幸福なのか?」 ま、昨日あんな事があった手前、疑われて当然か。 それでも私は、下手に心の内を漏らすことがないよう唇をきゅっと結び、ただ無言で顎を引く。 「……分かった、受けよう。仕事のない夜に好きな時に来るといい」 提督はやはり、何を考えているのか見透かせない顔のままに軍帽を被り直した。 前衛作戦はうまく行った事を確認し、私は執務室を後にした。 …………………… ………… …… 次の日、約束通り提督は私を秘書に任命した。 これから久し振りに提督とほぼ一日を共に過ごしていくのだ。 すぐに見限られないためにも、自分の責務はしっかり果たさなければならない。 のだけど……。 「あの、提督。これはどうすればいいんでしたっけ」 「嗚呼、これはな……」 最古参の面目は渋いお茶の底に沈んでいた。 ずっと前に提督の秘書を離れてから今まで何をやっていたか問われても、語れる事は何もない。 他言できない疚しい事があったという事ではなく、本当に何もない。 だからお茶淹れも、執務を処理する腕も、すっかり訛っていた。 私が以前秘書をやっていたあの頃とは書類の内容も違っているから尚更だ。 これでは駄目だ。 こんな醜態を晒すために提督に頭を下げてここにいるのではない。 隣に座って、私とは対照的に何も聞かず執務を処理していく提督の足を引っ張りに来たのではない。 私は書類に何をどう書けばいいのか、この書類をどこに仕分けるべきか、 多少分らなくても提督には聞かず生半可な考えで処理して行こうとする。 「山城。これ違うぞ」 なのに、自分の書類に集中しているように見えた提督にすかさず指摘されてしまう。 「あっ、……ごめんなさい……」 またやってしまった。 焦る気持ちが一人歩きして、ついてこれていない実力が警鐘を鳴らす。 こんな調子では秘書なんかさせてもらえない。 保身のために出た謝罪の言葉が震える。 まだ出来るはず。欠陥戦艦とは言わせたくない。 本心は醜く足掻いてこう叫ぶ。 俯き視界の半分を書類で埋め尽くしていたが、視界の端から不意に提督がこちらへ手を伸ばしてきた。 「ひっ……!」 私を嫌う提督がとうとう堪忍袋の緒を切らした。 殴られるか髪を掴まれるか。 艦娘の肉体は防御力が格段に向上されているとか関係ない。 何も強化されていないどころか、下手すれば人並みより精神が弱いかもしれない私は、 提督から体罰が来るという予想に怯え、ぎゅっと目を閉じた。 「っ……?」 しかし、息を呑んだ私の予想に反し乱暴な衝撃は来なかった。 頭にあるのは何? 私や姉とは違い、ごつごつした手。 その手付きは子でもあやすように優しい。 そうやって私の髪を、頭を撫でている? この感触は今まで経験がない。 ゆっくり瞼を開いて広げた視界には、私の頭に伸ばす腕と、私を見つめる真顔の提督の顔があった。 「えっ……、あっ、あれ……」 私は非常に困惑した。 そこは怒る場面じゃないの? なんで私は頭を撫でられているの? なんで提督は私を撫でているの? 提督が何を考えているのか分からない。 でも私の中にさっきまで感じていた恐怖心などは消え失せている。 提督はゆっくりとだがたった三度だけ頭を撫でて手を離した。 「あっ……」 「山城には久し振りの執務なんだから。分からない事があったら遠慮せず聞いていいんだよ」 提督はそんな事を言って、私がミスした書類の訂正作業を始めた。 私も自分のミスしたところがどういう具合に訂正されていくのか見なくちゃいけないはずだけど、 私はぼーっとして提督の横顔を見つめていた。 一心に私を見つめて救済の言葉を優しくかけてくれた時の提督の顔を思い出す。 ――こんな提督でも、笑ったりするのね―― あれは ぱっと見、いつもの真顔。 しかし、注意深く見れば笑っていたような気がする。 何よりは目。 目は口ほどに物を言うとはよく言った物で、いつもの淡白な提督像が少し掠れた。 夜這いを仕掛けたときは目も口も険悪な雰囲気があったけど、今見たそれらの雰囲気は全く真逆で。 酷く剣呑なまでに冷たく波打っていた私の心の海は、温かく穏やかな物へと変わって行った。 「よし、出来た。山城も、欠陥呼ばわりされたくないならどんどん聞いていけよ」 「……欠陥? 私が? ち、違いますから」 この人のらしくない冗談を躱しながら、私は再び書類の丘に手を付ける。 …………………… ………… …… 「不幸だわ……」 結局私は、欠陥戦艦だった。 南西諸島海域を制圧する任務を遂行すべく艦隊の旗艦として華々しく出撃したけど、 不幸と足の遅さと装甲の薄さが災いしたか、 敵主力艦隊の戦艦から重い一撃を貰って入渠し、起きてみればもうこんな真夜中だ。 戦艦は入渠が長いのだからあまり被弾してはいけない性能を求められるのに、この様。 姉を始めとする随伴艦に気遣われる旗艦なんて、情けない。 執務も戦闘も一人前に出来ないなんて、この先未来はあるのか。 「はあ……、月はあんなに明るいのに……」 一寸先はあの遠くから照らす月さえない真っ暗闇か。 不幸の私には、お似合いかも……。 「ふ、ふふふ……。あれ……」 海辺の堤防をやや俯きながら歩いていると、ぽつんと申し訳程度に置かれているベンチに人影が見えた。 こんな夜中に誰だろう。侵入者? 下駄を鳴らしながら近づいてみる。 粗末な電灯が、その人の横顔を微かに照らしている。 「……山城か」 そういうあなたは、提督じゃないですか。 軍帽を脱いでベンチに背を預け、朧げに紫煙を燻らせている。 「隣、いいかしら」 「どうぞ」 何となく、だ。 同族を見つけたような気持ちになって、私もベンチに腰を落ち着かせる。 提督とは三十サンチほどの距離を開けて。 目の前に広がる黒い海を眺める振りで、横目で提督を見やる。 提督はどこを眺めているのか分からない目付きで煙草を嗜んでいる。 「寝ないんですか?」 「……眠れなくてな」 か細い声もあってどこか儚げだ。 らしくない。 私の知る提督は、ネガティブな今の私のようにこんなところで途方に暮れる姿が似合う人じゃない。 私が提督の事をほとんど知らないから、そんな身勝手な感想が出るんだけど。 「山城はどうしてここへ?」 「……へ?」 まさか提督からそんな事を聞かれるなんて。 提督は艦娘の私情には全く興味を示さない人物だと思っていた。 無感情な目で私を見つめる提督からの思わぬ問い掛けに気の抜けた声が出るも、すぐさま本心を口走っていた。 「私、何をやっても駄目だなって思って、気付いたらここに来ました」 何と要領の得ない回答だろう。 自分で言って呆れる。 提督はそれだけ聞いてまた海の方へ顔を戻した。 不気味なまでにひっそりとした海が、ざああ、と寝息を立てる。 提督は煙草を咥え、それから重く溜息を付くように、ふうー……、と白煙を吐き出す。 「山城が被弾したのは、私も悪い」 「え?」 提督は、今なんと言ったのだろう。 「私が適切な命令を出せなかった不手際で、山城に手傷を負わせてしまった」 どう考えても、随伴艦が避けろと叫んだのに避けられなかった私の不手際だと思うんだけど。 提督の横顔は遠回しに馬鹿にしているようには見えず、自分にも責任があると本気で捉えているらしい。 そう言って体の重心を前に置き、背を丸めて地面に視線を落とす提督を見ていると、 私は急に何か言ってあげないといけない衝動に駆られる。 「わ、私っ……。頑張りますから!」 「山城?」 「今日は全然駄目でしたけど、欠陥戦艦なんて言われなくなるよう、頑張ります。 だから、提督がそんなに悩む必要はないんです……」 「……山城は優しいな」 "だから"の使い方が合っていないこんな拙い言い分でも、 提督はほんの少しだけその横顔に安堵したような笑みを浮かべてくれた。 褒められた、のかな。 それが嬉しくて、私は気付かれないよう静かに腰を提督の方に少しずらす。 何も知らない提督は煙草の火を明るくさせて、また白い溜息を漏らす。 「今日みたいにうまく行かない日は、仕事が終わってからここに一人でいるんだよ」 そういえば、提督の言葉遣いも執務真っ最中の時と違って柔らかい。堅っ苦しい厳格な言葉遣いはどこへやら。 そして、それにはまるで"こういうことはよくある"という意味でも含まれているように聞こえる。 こんな提督でも"うまく行かない日"は多いのだろうか。 「そういう日はもやもやするから何となくで煙草に当たるんだけどね。 一時的に何も考えなくなるだけで何も変わらない。 自分でも何がしたいのかと思うよ……」 提督は短くなった煙草を挟んだ指で弄んでから、地面に叩きつけて踏み躙った。 それを拾って、揉み消したそれを携帯灰皿に仕舞い、全てを無かったことにしようとする。 背もたれに身を沈めてそんな事を言う提督の声の抑揚はひどく平坦で、提督はまるで他人の話をしているよう。 何だか、ここまで来ると提督に親近感が湧いてきた。 遥か遠くを走っているようで、実は私と大して変わらないところで足踏みしているのではないか。 締まらないぼんやりした顔で空を眺める提督に見つからないよう、更に腰をずらす。 機械のようだと思ってきたけど、提督だって、一人の人間だったのだ。 もう今の提督に警戒心と疑心は、ない。 だから私は、こんな事まで聞いてしまう。 「提督は、私の事……嫌いですか」 「……嫌いだなんて言った事はない筈だぞ」 「はっきりしてください」 「嫌いだったらこんな事を喋ったりしない」 「もっと」 「山城の事は嫌いじゃない」 あの晩、不幸、だと思ったのは私の早とちりだったか。 嫌われていない。 それだけでも私は随分と救われた気持ちになっていた。 それなのに。 「寧ろ、こう優しくしてくれる山城は好きな方だよ」 ――反則だわ―― そんな科白、姉以外に囁かれた事はなかった。 ここまで言えとまでは言っていないつもりだった私は、冷たい潮風が吹くにも関わらず体を、特に顔を熱くさせる。 じんわりと胸の中を何かが満たしてゆく。 この気持ちは何だろう。 ああ、そうだ。 きっと、姉だけだと思っていたら、提督も私の味方だった事が分かって嬉しいのだ。 私は、今一度腰を静かにずらす。 ぴったりと、私の体が提督にくっついた。 「山城?」 「提督って、似てますよね。私と……」 「そうか?」 「はい。ですから、今度またここに来る時は、私も誘ってくれませんか」 「……山城が迷惑じゃないならな」 こっちからお願いしているのに、そんな気遣いまでしてくれる提督と黄昏る事が、迷惑なわけがない。 こてん、と提督の肩に私の頭を預けても、何も言わないでくれる提督と一緒にいて、迷惑なわけがない。 提督から伝わる熱が私の心を穏やかにしてくれて、私は目を閉じた。 端から見れば幸せでも何でもないだろうけど、憩いの場を一つ見つけた私は、確かに小さな幸福を感じていた。 この幸福を存分に味わいたい。 暫くそうしているとその思いが強まり、私は提督に囁く。 「提督」 「どうした」 「私が言った三つ目のお願い、覚えてますか」 「……覚えてるよ」 「今ここで、それをしようと思うんですけど」 「……お前、自分が今どこで何を言ってるのか分かってるのか」 分かっている。 でも、今提督が欲しくなったのだから仕方が無い。 思えば、私がここで提督を見つけた時からこうなる運命だったのだろう。 煙草の火のように、静かながらも確かに燃え始めた情欲を、私は抑えようとは思わない。 「提督が嫌いなら、諦めます」 「……何度も言わせるなよ。嫌いじゃない、って」 提督はどういうわけか、このお願いも本気で受け入れてくれるみたいだった。 夜這いを仕掛けたあの時と比べると、対応がまるで正反対だ。 「どうしたんですか、本当に。あの時はあんなに怒ったのに」 「あの時のお前はやりたくてやっているようには見えなかった。だから止めたんだよ。 こうする事が自分の幸せだときっぱり言うなら、私は受け入れる。山城の好きにするといい」 それは心なしか、提督自身にも言い聞かせているように聞こえた。 それなら、と、私は席を立って提督の前に立ち、跪く。 私は拒絶する余地を残すつもりで、両手でやんわりと提督の足を開かせた。 提督は宣言通り全く抵抗せず、嫌な顔もせず私を真顔で見下ろす。 私は恐る恐るズボンのファスナーをつまみ、ゆっくりと下ろしていった。 その穴に手を入れ、下着の中を探って取り出した。 提督の砲は最初小さいままで、ちょっと可愛い。 だけど、それは手を添えて観察しているだけで、すぐに私を威嚇するように戦闘態勢に入っていった。 「提督、興奮してるんですか?」 「見れば分かるだろ」 口は素っ気ないけど、そこは正直みたい。 こんな私でも興奮するんだ。 ないと思っていただけに反動は大きく、意外だし嬉しい。 何本も血筋を浮かべて大きくなったそれは、 潮風で冷やされた手で握ってみると、手が温められるほど確かに熱かった。 私はそれを熱く見つめながら握った手を上下に動かす。 「っ、っ……」 提督が息を詰まらす音が聞こえる。 浮いた血筋の手触りを感じながら、砲身を観察する。 私の扱う無機質な砲とは違い、生きたそれはどういう構造をしているのか、時折びくっと震える。 「はぁ……、はぁ……」 私の少し荒くなってきた息が、それに当たるのがこそばゆいらしい。 小さくて可愛いとは思ったが、大きくなっても可愛いままだった。 これは、優しく愛でてあげないといけない。 私はそう悟り、顔を近付ける。 濃い提督の臭いが一杯に鼻を満たすが、不快には感じなかった。 感じた事のない独特の臭いだけど、癖になりそう……。 「はぁ……、んむ」 くにゅ、と唇を砲身に押し付ける。 あ、また震えたわ。 これだけでも物怖じするなんて、提督じゃないみたい。 「ん、んん、んぅ……、えぅ、ちろ、ちろ、ぺろ……」 「っ、く……」 堪らなくなって舌を這わせてあげるでも、提督はやや強く息を吐き出す。 なんだ。あの晩は強気で押し退けておいて、実は経験多くないじゃない。 「うぅ、えぅー……、ぺろ、……はぁ」 でも、私はまず経験が全くない。 だからこれくらいしかできない。これより先のことは知らない。 舌を離し、目を動かして提督の顔を見上げる。 ……眉間に皺を寄せて口を結ぶとは、苦しそう。 「提督。私、この後どうしたらいいか分かりません。教えて下さい……」 「唾液を多くしてから、咥えてくれ」 提督は迷わず開き直ったようにそう答えた。 提督の断らせる気力は完全に奪う事に成功しているようだ。 一方こちらも準備は出来ている。 とっくに沢山出ている唾液を舌に乗せ、再度それの腹を砲身の先端に押し付ける。 口も小さく開いて先端を包み込み、歯を立てないように気を付けながら、ずるりと呑み込んだ。 「ぁ、むぅっ……」 「うっ……。舌を動かしたり、頭を上下に動かしてみろ……」 「っ……」 ほんの少しだけ顎を引くことで了承の意を伝える。 舌をどう動かすのかを具体的に教えて欲しかったけど、そこまでの不満を漏らすのは無粋だろう。 試されているということにしておいて、私は言われた通りにしようとする。 と言っても、口の中を埋め尽くさんとばかりに砲身は熱膨張を起こしていて、 舌を満足に動かせるほど口の中にスペースは残されていない。 硬い砲身を無理矢理押し退けるように舌を動かす。 「……んぐ、おぇ、んちゅ、えぅ、ちゅる……、んう」 「おっ……、く……」 提督は呻くのを堪えている。 経験ない私だし、堪えるのは簡単よね……。 「ちゅる、んむぅ、はぁ……、んく、じゅる、はぁ、……」 鼻からでなく、わざわざ口に隙間を作らないと呼吸もままならない。 たどたどしいのは自分でも分かっているけど、それでも精一杯に舌を動かす。 巻きつけようとする私の舌が提督の砲身を更に熱くしているのか、あるいはその逆なのかも分からない。 咥えて舐め回すままに、提督を見上げる。 「う、はあっ……」 負けないくらい熱っぽい吐息を提督は抑えられていない。 なんだ。これでは提督も経験が全くないみたいじゃないか。 やっぱり、提督は私と似ている。 楽しくなってきた私は、行為をエスカレートさせた。 「ん……ちゅ……、ん、んっ、んっ、ふっ」 「く、うっ、あっ」 言われた通り、頭を上下に動かしてみる。 口の壁で砲身を擦る。 歯が当たらないように気を付けるのに精一杯で、あまり大きく上下させることはできない。 小刻みながらもそれなりのスピードはつける。 「う、うああっ、やま、しろっ。すぐ、出ちまっ……」 出る? 何が? 脳内演習どころか予習さえしていない私は、どこから何が出てくるのか皆無検討がつかない。 まずそれは出てはいけない物なのかすらも。 しかし今更撤退する選択など、今の私にはあり得ない事だった。 単純な動きのままどこを目指しているかも分からず突き詰めて行く 「ふっ、んむ、んっ、んんっ、ぅ、んぐっ!? んんっ、んんぅぅぅぅ……!!」 すると、突然何かが私の口の中を染め上げた。 じわあ、と熱い液体が広がっていく。 ――不味っ!? 何、これ―― 味覚が新しい感覚を図鑑に登録しようと、頭にそれを送ってきた。 苦いような、臭いような、一言でひっくるめるなら不味いとしか表現できない直撃弾を喰らった。 提督の砲身を咥えるどころではなくなった私は、 こんな時でも最後まで歯を立てまいと砲を解放するのに時間をかける。 ……まさかとは思うが、本当にここから出てきたの? 口を離すと、提督の砲身の先端にある小さな裂け目と私の唇が白い何かで結ばれていた。 それは一瞬の事で、重力に負け切れてしまったので未だに口の中身の正体を確かめられない。 この口の中に残ったもの、どうしよう。 「はあっ……。……や、山城?」 「……! ……ん、んん、ぅ、くっ、んぐっ、こく……っ! げほっ!?」 ――不幸だわ―― 口の中に入った以上、飲むしかない。 少なくとも人間の体から出た物であるから、毒ではないはず。 覚悟を決めて体内に納める事で事を収めようとしたけど、 それは不味いだけでなく物凄い粘度で、少し飲み込んでから盛大に器官を犯されてしまった。 みっともなく私は提督の足の間で咳き込む。 よく考えてみれば、最初から私の目的はこれにあった。 提督が出してくれる液体Xを取り入れる事こそ近代化改装の裏の手順であるはずだ、と。 今出来る限界まで近代化改装を終えていた私は、これを行えば更に強化できる。 なのに、私の口から灰色の地面に向かって白い何かが吐き出された。 ああ、勿体無い。 限界を超えようと無茶したのに、なんてこと。ふふ、ふふふふ……。 「山城。誰も飲めなんて言ってないんだぞ」 別に誰から言われてやっているわけじゃない。 自分のためだ。 でも自分に跳ね返ってきたこの苦痛に、私は未だもがき、涙ぐむ。 すると、私の背中に何やら擦るような感触が。 いつまで経っても咳き込み続ける私を見かねてか、提督が手で撫でてくれていた。 こんな事をしたって体の拒絶反応は収まらないけど、精神的には苦痛から大きく逃れる事ができていた。 私の体の怒りが鎮まってくれるまで、提督は優しく温かい手付きで背中を撫でて待ってくれた。 「けほっ……はあ……。て、提督、次は……?」 「いや、夜戦はこれで終わりだよ。よく頑張った」 体の津波が去ると、提督が今度はやんわりと笑って頭を撫でてくれる。 その言動はどう見ても私を子供扱いしていたのが分かったけど、 反論する気も起きず提督のあやしに甘んじる私は子供よね、と思った。 というか、大人か子供かなんてどうでもよかった。 安心感を覚えさせる提督の細くないこの掌でこう撫でられる事は、 私にとっては確かに小さくも大きな幸せだと感じていたから。 「こんな時間なのに付き合ってくれて、悪かったな。もう戻ろう」 提督は下腹部の乱れを整えてから、愛想ない口調に戻してそんな事を言う。 私は、本当にこれで終わりなのだろうか、と釈然としない疑問を馳せながらも素直に提督に従った。 火照った体を、涼しいくらいの潮風が撫でてくれていた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の話 「山城が帰ってこない?」 自分は航空戦艦扶桑の言葉の主語をオウム返しした。 扶桑は不安ながらぷりぷり怒っても自然そうな顔だ。 「ええ。最近増えてきまして……。 提督は何かご存知ありませんか?」 「いや。執務は日付が変わる前には終わらせる事が多いから、分からんな」 嘘だ。 自分が原因なのは冒頭から確信している。 この国は神が八百万はいるように、嘘も八百万はある。 ……これも嘘だ。実際のところは八百だが、多い事実は揺るがない。 扶桑の怒りの矛先が此方へ向かないよう、自分は冷や汗を掻きながら白を切る。 「兎に角、今度注意はしてみる。それを聞いてくれるかの保証は出来ないがな」 元より注意する気もないので予防線も張っておく。 山城に責任を全て押し付ける事になってしまうが、許せ。 夜な夜な連れ出してくれと頼んで来たのは山城なのだ。 「お願いします。あの子、何かあるとすぐどこかへ行ってしまうので……」 頭頂部を晒してから、扶桑は姉どころか母親の顔付きで挨拶し、執務室を去った。 …………………… ………… …… 「と言う事があった」 「ごめんなさい、姉様……」 山城は俯いてここにいない姉に謝罪の言葉を零す。 それでも、山城はこのベンチを立とうとはしなかった。 比較的良好な天気が続いてはいるが、海は自分らを責めるようにざあざあと喚く。 「あまり長く続くと、自分らが疚しい関係だと疑われるかもしれないぞ。控えた方が良いんじゃないか?」 「……気にしないわ」 良いのかそれで。 自分はともかく山城が面倒な憂き目に遭うんじゃないか。 実際に疚しい関係となってしまったが、自分にそれを止める気はない。 抵抗が全くない訳ではないが、憂いを共有できる仲間が一人くらいはいた方が幾分か落ち着く。 つまるところ、こうして深夜に庁舎を抜け出して山城と二人きりで他愛もない事をぽつりぽつりと交わす事に、 自分はかつてない心地よさを感じていたのだ。 その後に続く拙くも疚しい交わりもまた然り。 「て、提督はそう思われるのは嫌ですか?」 いいや。自分は気にしない。 先程の地での科白を口に出す気はないが、この時間の為ならそんな問題は些細な事だ。 「そうですか。なら私も気にしません」 「そうかい……」 「だから、これからもやることは変わりませんね」 ふと隣へ振り向くと、山城の赤い目と自分の目があった。 すると、山城はふわりとした笑みを浮かべてくれる。 反省する気は全くないようで、自分は安堵するように顔から力が抜けた。 「ふう……」 自分は色のない溜息をついた。 山城を気遣って、あれから山城がいる時は煙草を吸っていない。 それに山城が相手をしてくれるのに、わざわざ身体に毒である煙草に、口を、肺を預ける必要もない。 一人煙草でくすぶるよりも、こうしている方がずっと心のケアになる。 「扶桑が寝たのを見計らって抜け出すのがいいんじゃないかな」 「そうかも……」 親の目を盗んで逢引するおとぎ話は、世に幾つあるだろう。 少し面白い。 「合言葉とか、決めてみませんか」 「合言葉?」 「姉様が寝たのを確認したら、私が提督にそれを言うんです」 山城も中々面白い事を考えてくれる。 自分と山城しか知らない、鍵の言葉。 色褪せない子供心を未だ宿すこの身は、みっともないが考えるだけでわくわくしてくる。 となると、それはどんな形にしようか。 悩む時間もなく、物を考えるとき上を見る人間の癖が、すぐに答えを運んで来てくれた。 白銀の満月が、儚げに黒い夜空の中で輝く。 「月が綺麗ですね」 「へ?」 「と言うのはどうかな」 山城を見やる。 山城は、月に隕石でも落ちたところを目撃したように呆然として私を見つめている。 自分で言った後で、これは少し気取り過ぎかと反省しようとする。 が、それより先に電灯に照らされた山城の顔が少し赤く染まった。 「てっ、提督……。それ意味分かってるんですか?」 「分かっているよ。 唯使う相手がいないし、これは少し憧れていたからどうせならここで使ってしまおうと思ってね」 自分は命落とすまで、ここに身を置くつもりだ。 そして、部下から一人引き抜いて娶ろうという企てがある訳でもない。 だからそれに関しての望みが薄くなっていた自分は、そこのところは随分投げやりなのだった。 「はー……。提督でもそういう浪漫を感じるんですね」 「お前の中の私はどうなっているんだ」 「だって、普段がああだから……」 仕事の時だけだ。 軍人として然るべき理想像が、自分にはある。 只それは決して感性も感情も捨てているような姿ではないのだが、そう思われていたとは知らなかった。 「それで、提督は何と応えるんですか?」 「応える、とは?」 「提督の了承の言葉ですよ」 そうか。 そういえば合言葉とは言われた方も決められた言葉を返してやっと成立するのだった。 山城からの合図を設ける事ばかり考えていて、その事を失念していた。 何故なら。 「私が断る事はないから、それは要らないと思うんだがね」 「何を根拠に……」 「山城が時間さえ弁えれば、私に損はないんだよ。寧ろ……」 その続きの言葉は、既の所で呑み込んだ。 この疚しい間柄でその続きを言ってしまうと、聞きようによっては軽蔑されかねない。 「寧ろ……何です?」 「何でもない。了承の言葉は"そうですね"とでも言っておくよ」 「適当ですね」 いいんだよ適当で。 単純明快だろう。 重要なのは私が返す言葉ではなく、山城がかけてくれる言葉なんだから。 「はあ。とにかく、決まりですね?」 「嗚呼」 「"月が綺麗ですね"。……月並みですけど、悪くないです」 くす、と山城も楽しげに賞賛してくれた。 自分らだけが刻む秘密の日常にもたらしたこれが、 今後どのような変化を生むのだろうな、と先々の日々に想いを馳せる。 「では早速使います」 「は?」 「月が綺麗ですね」 突然山城が自分の世界に入ったようで、自分はついていけない。 もう既にこうしているのに、今使って何の意味があるんだ。 「……自分から決めておいて、何ですその顔は」 「いや、だって……」 「察して下さい。この後、いつものして下さい。って事です」 嗚呼、そっちか。 考えてみれば、この後の交わりの有無は何時も山城が決めていたのだから、何も可笑しくはなかった。 此方を小馬鹿にするような事を言っておきながら、山城も気に入っているんじゃないか。 全く。 …………………… ………… …… 「今日は、どうしたら良いですか?」 まるで待ち遠しいかのように、暁の水平線を隠すように山城は私の正面に立つ。 切っ掛けを持って来るのは何時も山城だが、主導権は何時も自分に委ねてくる。 山城を秘書に戻してからそれなりに経ったが、逢引は毎日行っている訳ではない。 だから、これに関しては山城はまだまだ練度は低い。 それを言うなら自分もそうなのだが、山城は受けの姿勢に身を置き続けた。 これも山城の望む幸せに入るのかは分からない。 「そうだな……っ」 ひゅううううぅぅ。 山城の艦橋から艦底までを眺めながら考えようとすると、冷たい潮風が音を立てて自分らを舐めた。 寒い。 思わず自分の体を抱くよう擦る。 だがもっと寒そうなのは山城だ。 空気の入りやすい構造をしている巫女を模った上部装甲に、袴を短くしたような下部装甲だ。 「……提督? 寒いですか?」 「まあね……」 しかし、山城は何食わぬ顔でいた。 よく考えれば、当たり前だ。 艦娘の肉体が耐寒仕様でなかったら、露出部のある格好のままこんな夜更けに表に出ないし、 その格好を年がら年中保ち続ける訳が無い。 一方、まだ冬は訪れていないので防寒対策は要らないだろうと呑気にしていた自分は、 今ここに熱源となりそうなものは目の前のそれしかないと踏んだ。 「私に跨るんだ」 「跨る……?」 山城の艦底を地につけさせてやるにはベンチが邪魔な為、自分も尻を前にずらしてベンチに浅く座るようにする。 疑問符を浮かべておずおずとする割には、 山城は指示通り的確に私の足、正確には下腹部に馬乗りになってくれた。 山城はそれだけでなく、まだ口に出していないのに私の首に両腕まで巻き付けてくれる。 「こ、こうかしら……」 それでいい。 では此方も、とズボンの腰周りを緩める。 下穿きも下にずらし、己の逸物を取り出した。 「わぁ……」 感嘆の声が漏れてるぞ。 しかし指摘はせず、続けて指示を出す。 「これに乗っかって、腰を前後に動かすんだ」 言われるままに、山城は私の下腹部の露出を下部装甲で隠した。 自分のそれが、体重のかかった布に沈むのが分かる。 「んっ、と……。潰しちゃってますけど、重くないですか」 大丈夫だよ。 健康的な程度で良い事だ。 ある程度の重さがないと、これからやる事が快感に恵まれない恐れもある。 「そうですか、男の人の事情は知らないけど。……んっ」 山城が腰を前に動かす。 「……っ! ……?」 ところが、自分はやや痛みを覚えた。 布の目が粗いようで、期待していた程の快感は来ない。 自分は咄嗟に手で山城を制止させた。 不可解な顔をする山城に問う。 「山城。お前、下着は何を履いている?」 「……褌ですけど」 山城は少し蔑むような顔で答えた。 そんな目をするな。 艦娘の下着事情を熟知している変態じゃないんだ。 それにしても、褌とは。 となると、この感触は木綿か。 「すまん。褌とは知らなかったから、少し痛い」 「そうなんですか」 「……脱がなくて良いから、あの部分だけ布をずらしてくれ」 山城は、少し腰を浮かせて下部装甲に手を突っ込む。 もぞもぞさせてから再び腰を降ろされた時、自分は生々しい素肌の感触を得た。 甲斐あって、これなら痛い思いをしなくて済みそうだ。 山城に事を再開するよう促す。 「下着を教えなきゃいけないなんて、不幸だわ……。んっ」 まだ濡れていないながらも、痛みはなかった。 山城がゆっくりと前後に腰をピストン運動させる。 「っ……、っ、ん、うん……、なんだか、変な感じ……」 山城の顔はまだ羞恥心のみに支配されているだけの様子。 潮風に容易く吹き飛ばされる程度の微かな山城の喘ぎだけを耳に取り入れ、静かに情欲を燃やしてゆく。 「んっ、んっ、はぁ……、ん……」 そのままそれだけの動作を続けていると、 喘ぎと言うより只の呻きのようであった山城の声も色を帯びてくる。 柔らかい肉の割れ目を充血した自分の逸物の、特に凸になっている部分が主な刺激の産出を担っている。 「う……」 今から火照ようとする自分らの身体を咎めるように、潮風が撫ぜる。 再び寒さに震えた自分は、山城の背に手を回し、やんわりと引き寄せた。 腰を止めたが山城は拒まない。 抱き寄せて山城の二つのタンクに顔を埋める。 「提督? 寒いのね……」 そうだ。 それだけだ。 母に甘える赤子の体勢になってしまうが、そんなんじゃない。 自分はいい歳した大の男なのだ。 タンクの谷間に顔を埋めているから反論出来ないだけだ。 さっさと腰を動かしてくれ。 「くすっ、提督じゃないみたい……。んっ……」 山城は、からかうようにそう笑ってから、私を包み込むように己の両腕で己の身体に押し付けた。 再び動き始めるのに合わせて感じ取った感触は、熱い水が少し含まれていた。 何を切っ掛けに濡れたのか分らないが、これで滑りは良くなる。 両腕で山城を抱き締め、暖を取る。 月のように冷めている山城でも、こうしてみると確かに温かかった。 山城の胸の中ですうーっと一杯に空気を吸い込むと、山城の匂いが鼻に広がる。 甘い匂いに包まれながら、局部に与えられる快感も助長されてゆく。 「んっ、はっ、はぁっ、ぁっ、あっ」 程よく濡れてくれた山城も速さを上げていった。 くちゅ、くち、と、淫らな水の音が微かに耳をつく。 更に融通がきくようになった山城の割れ目は、擦れる異物に抱き着くように広がっている。 そこから先は、長くなかった。 「ぐっ……」 「ああっ、ああっ、はあっ、あっ、……ぁ……」 自分は、山城の温かさに包まれながら達した。 ここが表である事もあり、妙な開放感を感じる。 もやもやしていたものも飛散するように自分の中から抜けた。 山城は押し潰していた異物が強く脈打った事から察したのか、動きを止める。 「はあ……、はあ……、はあ……」 「くす……」 山城は何を思ったか、私の背に回した腕を動かす。 上下する私の肩と背が、山城の両腕に撫でられる。 山城のそれは穏やかで落ち着かせてくれる手付きだった。 子供扱いか。 しかし反論する気力はない。 脱力感と山城の温かさの前では、つまらない男の意地の面目はどうでもよかった。 呼吸が落ち着くまで、もういいと指示を出すまでの、山城に包まれる時間を私は大事に味わった。 事の終わりを私から告げる時に、名残惜しくならないように。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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966 :名無しの紳士提督:2015/10/13(火) 09 20 44 ID 8iJfIN1w 「提督、そろそろ休まないと体に毒ですわ」 山と積み重ねた書類の中で立て籠もる私を見つけると、熊野はいつも同じ言葉で諭してくれる 心底興味が無いのか、花嫁の無二の親友だからか…熊野は私の薬指を見ても変わらない態度で接してくれる唯一の艦娘だった だからこそ近頃は鈴谷が寝静まった後も、彼女が諫めに来るまで執務室の灯りを点ける事が習慣になっていた 「まったくもう、書類はトーチカではありませんのに…ローズヒップティーでよろしかったかしら?」 私の沈黙を肯定と受け取ったらしい熊野は、沸騰した水と少量の茶葉をティーポッドの中に閉じ込める 熊野が紅茶を淹れ、私はそれを合図に仕事を切り上げる。今日もそれだけのはずだった 「子供の相手って大変でしょう?一方的に求められて、貪られて…それでも、愛おしくて」 それは唐突な呟きだった。私は慌てふためく本心を覆い隠すように、何故そんな事を聞くのかと必死で問い返した 「昔、娘と旦那を省みずに研究に没頭した挙句全てを失った、愚かな女がいたんですわ」 「…本当に、似てしまったものですわね」 大粒の涙を零しながら私を見上げる熊野の救いを求めるような視線が、彼女の全てを物語っていた 既に熊野の姿は母の残像と重なって、顔が判別できないほどにぼやけてしまっている 「お願いします。一度だけでいい、どんな形でもいいんですの」 「わたくしに、貴方を受け止めさせて…母親の真似事を、させて下さいませんか?」 その優しい願いが何よりも取り返しのつかない結果を招くと知りながら 私は誘蛾灯に惹かれる毒蛾のようにふらふらと、熊野の体に吸い寄せられていった
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11月 Blu-rayBOX 3日 紺碧の艦隊×旭日の艦隊 Blu-ray Box 2 16日 ハリー・ポッター 第1章~第7章PART2 コンプリートブルーレイBOX 初回数量限定生産 ☆ 21日 <初回生産限定>聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX 1987~2004 23日 ふしぎの海のナディア Blu-ray BOX【完全生産限定版】 ☆ MASTERキートン BD-BOX ☆ 【「テイルズ オブ」シリーズ生誕15周年記念プライス】 OVA「テイルズ オブ ファンタジア THE ANIMATION」DISC-BOX エターナル・エディション 〈完全限定生産商品〉 ☆ 25日 電脳コイル Blu-ray Disc Box 未来少年コナン Blu-rayメモリアルボックス ゼロの使い魔~双月の騎士~Blu-ray BOX ☆ Project BLUE 地球SOS Blu-ray Box DVD-BOX 4日 パーマンComplete Box 2 23日 【「テイルズ オブ」シリーズ生誕15周年記念プライス】 OVA「テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION」デュオロジーDVD-BOX 〈完全限定生産商品〉 ☆ 咎狗の血 Complete DVD-BOX ☆ 金色のコルダ~primo passo~ DVD-BOX 25日 廉価版 舞-HiME COMPLETE 廉価版 EMOTION the Best 魔術士オーフェン DVD-BOX 廉価版 EMOTION the Best 狂乱家族日記 DVD-BOX 廉価版 EMOTION the Best ツバサ・クロニクル 第2シリーズ DVD-BOX 廉価版 EMOTION the Best 魔法のスター マジカルエミ DVD-BOX1 廉価版 メルティランサー The Animation -COMPLETE- ☆ オトメイトパーティー♪2011 ☆ 想い出のアニメライブラリー 第1集 山ねずみロッキーチャック デジタルリマスター版 DVD-BOX上巻 ☆
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【独自設定】 提督は霊的な力を認められてこの鎮守府に着任した(左遷ともいう) 提督は艦娘の前世の一部をぼんやり視(み)ることができる。でもすごく疲れるからあまり視ない前世を視るときの体感時間は長いが、実時間は一瞬。没入するまでの集中に時間がかかる 艦娘は人ではなくあくまで艤装の精霊のようなもので、半分神格化している 本体である艤装は建造や改修などの際、資材に霊的儀式を混ぜて行う 霊的密度の高まった艦娘(LV99)は人と契ることが可能 鎮守府にきた艦娘たちは魂の一部、末端であり、本当の彼女たちの魂は今も海底に眠っている 同じ艦娘(ダブり)はその魂から顕現するが目覚めてからの記憶はリンクしない 改修素材になる艦娘の魂は大本の魂に還り、わずかながら大本の魂の浄化になる 轟沈も同じ 艦娘の大本の魂が(平和など各艦娘ごとに違うが)願い続ける限り艦娘は顕現し続ける 一部の艦娘は今も悪夢にとらわれている 鎮守府の仕事はその魂の解放である 非エロ:提督×島風6-538 非エロ:提督×曙、島風8-84 霊能力提督シリーズ8-428 霊能力提督シリーズ8-494 上記SSと世界観が同じ 提督×翔鶴7-559 提督×曙8-483 ショタ提督×加賀、鳳翔、翔鶴、瑞鶴、赤城8-552 提督×曙9-2 作者です。スレの評論家様に屈したので終了します。 コメント 最新の30コメントを表示しています。 コメント編集終了のため削除しました、またブログなどでお会いできるときを楽しみにしております -- (メニュー整理者) 2014-05-19 00 18 26 名前 コメント すべてのコメントを見る
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前回の話 「今日の戦艦の防御力は凄かったね~……」 北上が納得の行かない演習結果に疲れたようにぼやく。 「完っ全に作戦が悪かったのよ……」 戦術的には勝利判定となったのに大井も不満気だ。 「………」 その二隻の小言に挟まれる指揮官の自分は、少しではあるが肩身狭さを感じ反論は一つもできない。 練度をひたすらに極めた相手艦隊の戦艦はデータ上は低速であるはずだが、 装甲の厚さと侮れない回避力を前に決定的な打撃を与えられなかったのだ。 それに加え、嘗ての海軍に見限られる程に魚雷とは元来命中率の低い艦装であり、 努力で完全に克服できる柔な宿命ではない事も熟知しているつもりだ。 かと言って本当の意味での重雷装艦とさせた魚雷のみの大井と違い、 比較試験のため片腕に主砲を残している北上が大井よりも良好な戦果を挙げたかと言えばそれもまた難しいもので、 果たして此奴らはどのように運用するのが正しいのか、 長い目で見てきても未だに結論付ける事が出来ないでいる。 北上が言うように此奴ら重雷装艦とは甚だ扱いが難しい船で、戦艦のように単純明快とはいかない。 それでも何故此奴らを使い続けているかと言うとそれは自分の趣味でしかなく、 此奴らにその事を尋ねられた時は何時だって重油を濁してきた。 特に練習艦として使われ続けるうちに作戦内容に敏感になっていった経歴を持つ大井の前でそんな本音をほざいてみろ。 冷たい魚雷でぶん殴られ木の床に沈められるのは目に見えている。 「あらやだ。北上さん、碌な作戦も考えられない提督ったら何も言えないみたいね」 「まあそう言わないであげなよ。提督も提督なりに考えてるんだからさ、って……」 「……やっぱり何も考えてないんじゃないんですか? 提督笑ってますし」 しまった、顔に出ていたか。 私の顔なんか見上げていないで二隻だけで和気藹々と駄弁ってくれればよかったものを。 「笑ってない。作戦は真剣に考えているつもりだ」 焼け石にバラスト水であろうと、念のため取り繕っておく。 次に聞かれたら重油をどう濁すのが格好付くか、とか、 これだから重雷装艦は面白いだとか考えていたのがばれるのは此方としては面白くないのだ。 「いや笑ってたよね」 「笑ってましたね誰が見ても」 「笑ってない」 「笑った!」 「笑いました!」 「笑ってない!」 ああもうゲシュタルト崩壊するからやめてくれ。 馬鹿みたいな言い争いを繰り広げながら廊下の右への曲がり角の一つで立ち止まろうとする。 すると。 どんっ! 「うわっ!」 曲がり角の側を歩いていた北上に突然衝突された。 衝突と言っても小突くような程度のもので、自分に被害はない。 北上はその後よろめいて尻餅を付いた。 正確には、北上に衝突されたと言うより……。 「いったー……」 「ううぅ、またやっちゃ……え?」 同じく床に座り込んで頭を押さえ唸っているのは、軽巡阿武隈であった。 どうやら自分らが五月蝿く騒ぎ立てていたせいで、阿武隈が廊下を走っていた事に気付けなかったらしい。 "廊下を走るな"の貼り紙を"廊下は静かに歩け"と書いたものに変えるべきかもしれない。 阿武隈が掟を守る気がないのか、貼り紙に気付かないのかは定かではないが、どちらにせよ効果は薄そうだ。 「き、北上さん、と、大井さん……」 貼り紙だけでなく私も見えないのか。 書いた者の存在感が薄いと貼り紙もそうなるのか。 怒っていいか。大井が。 「阿武隈ちゃん? "廊下は走るな"って、書いてあるわよねぇ?」 突き当たりの壁に貼られたそれを指差してくれる。 ありがとう大井。大好きだ。 「乱暴な字ですけど」 五月蝿い。 時間が推している時に何枚も手書きした物だから諦めろ。 座り込んだまま次第にこの世の終わりを悟ったような顔に変化していく阿武隈と、それを修羅の顔で見下ろす大井。 それは、何処から見ても蛙と蛇の図だった。 「ご、ごっ……、ごめんなさああぁぁい!!」 耳をつんざく大音量で放たれた謝罪の言葉が、ドップラー効果を持ってこの場に残る。 音爆弾の艦装は載せていない筈だが。 つまるところ、阿武隈は北上に当て逃げしていった。 せめてこの場で止まって謝罪していれば擁護する余地もあったのだが。 ところで、来た道を脱兎の如く全速力で戻って行ったが、阿武隈は何の用事があったのだろう。 「よくも北上さんを……、うふ、うふふふふ……」 「こら、美人がしちゃいけない顔になってるぞ」 演習を終えてすぐ艤装を下ろしていなければ阿武隈に攻撃していそうであった大井を窘める。 修羅を思わせる顔の歪め方をしていた大井は私の言葉にきょとんとし、 一呼吸置いて満更でもなさそうに少しだけ顔の歪みを戻した。 「……美人? そうですよねー、堅物気取りでヘタレな提督を骨抜きにしたんですからねー」 「あのな」 合ってるけれども。 「……いちゃついてないで助けてくれないかな」 「いちゃついてませんよ。……北上さん、立てる?」 大井は姉妹艦を心配するのみの顔付きに変化させ、手を差し伸べた。 大井の手を取り起き上がった北上の装甲は少々傷ついている。 「あーもう小破しちゃったよ。せっかく入渠したのに……」 この後すぐには出撃命令は出さないから、もう一度ドックへ行くか明石の世話になってきなさい。 ただ高速修復材の使用は控えてくれ。 あまり時間もかからないだろうし、何よりこんな下らない事故で一々使っていられない。 兎にも角にもあの阿武隈には後で私から言っておくから許してやれ。 「え? あの娘のところに行くんですか? …………」 どうした。自分で手を下さないと不満か。 「あんな娘の元なんかに……、いえ、何でもないの」 大井は取り繕うようにやけににっこりと笑って艦首を振る。 一先ず自分はこのまま執務室に行くから、大井は北上を連れて行ってやりなさい。 「いいよ、小破なんだからあたしだけで」 「駄目よ、また何か起こるかもしれないわ。守ってあげるから一緒にドック入りましょう!」 ドックまで連れて行ったら大井は戻るんだぞ。いいな。 「ッチ」 おい。 あの後阿武隈の部屋を訪ねてみたが、阿武隈は不在だった。 大井に襲撃される事でも恐れて逃げたか。 仕方なく執務室に戻り、演習前から置き去りにしていた書類に手を付けていると、扉が叩かれる音が響く。 「大井、戻りました」 うむ。 では早速で悪いがそこに分けておいた書類を処理してしまってくれ。 自分は此方の束に集中したい。 「分かりました。さっさと終わらせましょう」 そう意気込んで大井は私の隣に座り、筆を握る。 私の任務は小一時間かかりそうだが、大井の方は半時間もかからないだろう。 共に黙り込んで紙の束を消化していく。 自分の見込んだ通り、大井は時間をかけずに素早く消化してしまった。 やる事がない大井は姿勢を崩しながらも健気に私の作業の終焉を待ってくれる。 特に喉が渇いてはおらず、お茶淹れにも断ったので尚更退屈そうだ。 それからまた数分そうしていると、視界の端で大井は突然ぶつぶつと何事か呟き始める。 「北上さん、大丈夫かなぁ……。私がいないと心配だなぁ……。 うん……、心配……きっと、そう、きっと何か起きてる! 私、行かなきゃ! …………」 …………。 何なんだ。 その、ちらっと此方を伺うような横目は。 返事でも求めているのか。 何を返せば満足なのか。 あと少しかかるから、それまでは好きにしろとしか言えない。 集中しているのだから。 すると、まるで代わりに答えるように鳩時計の針やら歯車やらの機械音の後に鳩が鳴く。 「……あらやだ、ヒトナナマルマルです。もうすぐ夕食の時間ですね。私、ちょっと夕食の仕込みしてきますね」 む? 間宮の手伝いでもするのか。 出来ると言うのであれば行ってこい。 しっかり頼むぞ。迷惑はかけるなよ。 「言われるまでもありませんよ」 大井が出て行ってから、暫くして本日付の執務は粗方片付いた。 後は余裕があれば片付けた方がいいものもあるが、集中力を切らした自分は食堂へ足を運んでいた。 騒がしい食堂の厨房には割烹着に身を包んだ間宮と大井の姿が。 大井が持っているその蓋付きの鍋の中身は何だ? 「勿論、愛情たっぷりの、大井特製カレーです!」 ほう、カレーか。 今日は土曜日ではないが、良かろう。 実際土曜日にカレーを作るなんてのは、多くの兵が艦上で何日も過ごす事のある海軍の名残りでしかないから構わない。 ではその愛情を香辛料にしたであろうカレーを貰おうじゃないか。 そういえば北上の姿が見えないが、修復はまだ終わらんのか? 「あ、いえ。それが、北上さんにもあげようとしたら、もう夕食は済ませたって……」 それはそれは、残念だったな。 まあ安心してくれ。 大井の有り余ってしまった愛情は私が全部頂く。 私と北上にしか食べさせる気がなかったのか、そのくらいの鍋ならおかわりすれば完食できるさ。 早速よそってくれ。 「はい。では、そこの席で待っていてください」 そう言って大井の目線の先の席とやらを見る。 そこは二人用の小さな席がぽつぽつある食堂の入り口付近で、 多くの艦娘が陣取る海を一望できる窓際辺りと比べると閑散としている。 あそこじゃないと駄目か? 間宮の作業場が見えるカウンターか海が見える窓際近くがいいんだが……。 「だ、駄目です。あまり騒がしいところは好きませんので」 むう。まあ良かろう。 そこまで執着はしない。 素直にその席につき、大井はテーブルに鍋を置きまた引っ込む。 今度は割烹着を脱ぎ、白飯を盛った皿を持って現れた。 同じように大井も対面した席につき、鍋の蓋を開ける。 すると、厨房で歴戦を繰り広げた証である湯気と香りが立ち込める。 今日もカレーは美味そうだ。 「"は"とはどういう意味ですか。頭にぶちまけますよ」 一々細かいところに突っ込むな。 大井の愛情を頭から被るのは悪くはないが、これは愛が情熱すぎて火傷を負ってしまうからまた別の機会に頼むぞ。 では頂くとしよう。 「はい。召し上がれ」 薔薇を思わせるにっこりとした笑顔で許可を頂いたので、白飯とカレーを掬ったスプーンを口に運ぶ。 米特有の甘みを持つふっくらしつつも立った白飯と、辛過ぎない程度に食欲を促進させてくれる香辛料の入ったカレーは、 自分好みに調理されている味で毎度ながら感服される。 一口目を咀嚼して飲み込んだ後、大井は最早聞き飽きたであろう短い賞賛の科白を今日もつく。 よく出来ている。美味い。 「美味しい? そうでしょう?」 嗚呼、具も柔らかく煮込まれている。 完璧だよ全く、カレーはな。 「一言多いです。文句言わず食べて下さい」 言われなくとも二口目を運び、大井を観察する。 テーブルに両肘をついて頬に手を当てる大井は、 美味しいと言ってやれば嬉しそうに目を細め、今のような戯言を言ってやるとむっとして口角を下げる。 内に秘めるように普段微笑を浮かべていながらも、実際はこうしてころころ表情を変えるから面白いものだ。 二口目も飲み込み、すうっと流れる後味の中、自分の味覚は何時もと違う何かを感じ取った。 大井、隠し味か何か入れたか? 「あ、分かりますか? 隠し味を入れてみたんですよ」 ほう。自分はそういった試みに挑んだ事が無いから分らないんだが、何を使った? チョコレートか? 牛乳か? 「愛情を入れました」 自分は、がくっと少し首を横にずっこけさせた。 それはさっき聞いた。 そうじゃなくて、何か別の食材でも入れたんじゃないのか。 「はい。いつもお疲れの提督の為に、元気になるものを入れました」 「ふうん……」 漢方薬か何かだろうか。 心遣いは身に染みるが、カレーの隠し味には はっきり言ってしまうと合っていない。 しかしカレーの味を壊す程不味くもないので、自分は気にせずまたスプーンを口に運ぶ。 話は変わるが大井よ。 お前は食べないのか。 「え……。私はいいんですよ、提督のために作ったんですから」 なら一口やろう。 ほら、あーんだ。 「い、いやっ、私は……」 どうした。 何故差し出したスプーンから逃げるように身を引くんだ。 料理の基本である味見も毒見も行ったのだろう? 不味くないから大丈夫だ。 大井が食べないで私だけ呑気に食べてはいられない。 ほら、口を開けてくれ。 「で、でも……」 ははあ。 もしや間接キスでも気にしているのか? それ以上の事をやってきてこんなので恥ずかしがるとは、大井は乙女だなあ。 「恥ずかしがってなんかいませんよ!」 だったら一緒に食べような。 ほら。 「……ぁ、あーん……」 大井は自分で作った癖に、 まるで苦手な物でも食べる子供のように目を瞑ってスプーンのカレーを口で受け取り、不安そうに口を動かす。 何を怖がっているんだ。美味しいだろ? 「お、美味しい、です……」 そうだろう。 私の為に愛情込めて頑張って作ってくれたんだから、不味い訳が無いんだ。 この分だと鍋の方も冷めるまでに食べ尽くせるな。 このカレーは二人で食べてしまおうな。 ではもう一度。あーん。 「そんな……」 何か言ったか? 此方から口に入れておいて悪いが、よく聞こえなかった。 「んくっ。い、いえ、何でもないの」 そうか。ならさっさと食べてしまおうな。 遠征部隊もそろそろ帰ってくる頃だ。 そう言って自分は腕時計を気にしながらカレーの咀嚼に勤しんでいた。 その隙に、大井が恨めしげに何事か呟いていたのを自分は全く気付けなかったらしい。 「ううっ、どうなっても知りませんから……!」 さて、それからというもの自分と大井で手分けして時間もかからずに一つの皿を二回空けた。 のだが、自分の身に異変が生じていた。 別段激辛のカレーを食べた訳でもないのに……。 「はぁ、体が熱くなってきた? そうでしょう、ね……。はぁ……、はぁ……」 そうなのだ。 体の中を熱が疼く。 運動していないのに息が荒い。 屋内なのに汗も滲み出ている。 そして何より、同じような症状が出ている大井が、何故かとても扇情的に映える。 一応断っておくが、自分は時と場所を考えずにこんな情を抱く獣のつもりはない。 大井も途中から自棄になってカレーを食べていたが、お前は本当に何を入れたんだ……? 「言ったでしょう……。ん、提督が"元気"になるものって……」 まさかとは思うが、もしかして。 自分がやがてある一つの答えに行き着き、口にする前に大井がゆっくりと立ち上がる。 テーブルに両手を突いてやっと立ち上がった大井はふらふらになりながら私の肩に縋り付き、 私の耳元で妖艶に何事か囁きかける。 「早く、はぁ……、早く、はぁ、行きますよ、執務室……」 大井が食堂の入り口から近い席に座るよう指示したのは、この為だったのだろうか。 自分も、そろそろ我慢が限界を迎える。 …………………… ………… …… 共に危ない足取りで執務室に引き篭もり、施錠した。 カレー鍋も、食器一式も放置してきてしまった。間宮よ許してくれ。文句なら大井に頼む。 残った理性の欠片はそんな事を遺言とし、弾けた。 執務室の扉に大井を押し付け、次々と口付けを落とす。 「っ、はぁ……。好きですね、提督も……」 「"も"ってのはどういう意味なのかな」 「一々拾わないでくれませんか……」 知った事か。 お前にだけは言われたくないね。 同じ物で塞がれれば物言えなくなると思うが。 「黙ってて下さい。ちゅう、ちゅ……」 首を伸ばすようにして私の口に大井は吸い付く。 大井の柔らかい両手が私の顔を包む。 まんまと嵌り、共に戯言をきけなくなり、部屋には夜戦の始まりを告げる音だけが響く。 「っぱ、はぁ、はぁ……」 やがて口を離した頃、大井は体を完全に扉に預けてしまっている事に気付いた。 自分も両手を扉に預けてやっと足を床に支えている状態だ。 「はあ、ほら、向こう行くぞ……」 「……っ」 大井は顎を引いた。 私の肩にしがみ付く手を取り、更に奥の私室へ連れ込む。 寝具に飛び込み、事を再開した。 装甲の乱れた大井の扇情的な姿に堪らず、色んな場所に口付けを落とす。 まず、足。 「はぁっ……。提督、んっ、そんなところにして、楽しいですか……、んっ……」 聞かず唇を押し付け、吸い付く。 十数秒もそうしていると、いい具合に白い足に跡が付いた。 周辺に幾つも付けていく。 気が済んだら、次に、腹。 「ぅ、ん……、んっ、臍に、興味があるんですか……?」 次に、手の甲。 「っ、ふふ……。はぁ、気取らないで下さいよ……」 次に、首筋。 「っあ……、はぅ、うぅ……」 最後に。 「っ、やっとですか、んむ、……ちゅ、ちゅ、ぇる……はぁ、ちゅる」 自然と共に口を開き、小さな舌を絡める。 情はどんどん深まり、口だけでなく互いの首が互いの腕で繋がれ、足も縺れ合う。 身を引き寄せ合い、互いの熱を共有する。 大井のボイラーは自分に負けずひどく熱い。 あのカレーは殆ど半分ずつ食べたようなものだからな。 特に熱暴走がひどいのは下腹部だ。 自分の考えている事を読むように、大井の手が私の局部を布越しで擦る。 「ちゅく、っあ、はぁ、はぁ、提督の魚雷、もう硬くなってるじゃないですか……」 誰の所為だ誰の。 責任取れよ。 「ふぅ……、んん、こんなつもりじゃ、なかったんだけどね……」 「責任取って、処理してあげます……。私だけが、ね……」 …………………… ………… …… 「どうしたの大井っち、前の服なんか着て」 「え、北上さん!? えと、気分よ、気分……」 午前。 やっと昨夜ぶりに邂逅を果たした北上が、大井に話しかける。 臍部分が隠れる以前の装甲に身を包んだ大井は、後ろ指でも指されたように僅かに飛び上がった。 「なんでずっと魚雷つけてるの?」 「え、こ、これは……。そう! 昨日北上さんに衝突した艦に制裁を与える為よ!!」 大井は仇討ちに燃える修羅を演じているつもりか、腕を突き出す。 しかし説得力がない。何故なら。 「じゃあなんで補給してないの?」 「えっと……、暴発したら危ないじゃないですか!!」 魚雷が一門も装填されていない発射管を見せられて、誰もが疑問を持つ筈である。 見事に打ち破られた大井は最早言っている事が支離滅裂であった。 その横で自分は知らぬ顔を貼り付けつつ、自分は北上と同じように大井に疑問を突っ込む事もしなかった。 真実は自分と大井しか知らない。 朝になって我に返った自分らは、体のあちこちにできた夜戦の痕跡である赤い印をどうにかして隠す事に奔走した。 自分は元々袖も丈も長い服装なので今まで通りの格好で良いのだが、 それなりに露出がある大井はそうも行かない。 大井の首筋は長髪に隠れるから良いとして、足、腹、手の甲に私がつけた印をどうするか。 議論の結果、腹まで隠れる装甲に変更し、足と腕に艦装を施していれば隠れる事が分かり、今に至る。 これに阿武隈への仇討ちの意志は全く含まれていなかったが、北上の言葉で大井は思い出してしまっただろう。 本当に仇討ちを遂行しかねない。 阿武隈よ南無三。 これに懲りて金輪際廊下を走らない事だな。 唯、刑執行人が大井の場合だと金輪際走る事が出来ない体にさせられそうである。 そのブレーキ役となるべく、今日は一日一緒にいるとしよう。 「はい、提督にオムライスです。……え? いやだ、愛情以外何も入ってませんよ。うふふ……」 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の話 爽やかな朝日と空気が全開の窓から部屋に入ってくる。 「うん…?」「おはよう、能代」 寝呆け眼な能代に軽い口付けをしながら髪を撫でる。 頭が冴えてきた能代はハッとし 「おおお、おはようございます!」 と跳ね起きる。その動きにたわわな胸がぷるんと揺れ、その光景に再び愚息がいきり立つ が流石に今から第二ラウンドなどすれば執務に支障がでる。能代の身体にしゃぶりつきたい衝動を抑えて身支度をする。 「あ、下着どうしよう…」 と能代。何せ昨日は貞操帯を付けていたためパンティを着けていない。流石に私の部屋に女性用下着など有るわけがない 「貞操帯でいいだろ」「し、しかし…」「ならノーパンで過ごすか?」 能代は真っ赤になり再び貞操帯を着ける。カチャンと錠前が締まる 「うぅ…」「似合ってるぞ?」「ううぅ…」 飼い犬につける首輪の様だと私はにやける 「次の秘書艦の当番まで着けているように」 そう命令すれば能代は涙目ながらも、何処か期待するような視線を投げ掛けてくるのだった 「阿賀野、秘書艦に着任しましたぁ」「では提督、私はこれで。阿賀野姉、提督のご迷惑に成らないようにね」「もう!分かってるってば」 一体どちらが姉が分からない何時もの会話をしつつ能代は阿賀野にメモ帳を渡す。 能代が出ていったのを確認し執務開始…と言っても先の鉄底海峡作戦で敵も疲弊したのか最近は大規模な艦隊戦もなく書類も少ない。 しかも前日に能代がよく働いてくれたためお陰で昼頃には全ての仕事が終わってしまった 「提督さん、しよ?」「まだ昼だぞ…」 でも、と阿賀野は私の肩に手を回し口付けをせがむ 「んちゅ…くちゅ…れろ…」 受け入れも抵抗もしない私の舌を思い思いに絡める ちゅっという音を出し唇が離れた 「誰か来たらどうする気だ?」「大丈夫よ、みんな分かってるのも」 性的な関係になったのは阿賀野と能代だけではない。所属している艦娘たちのほとんどと関係を持っている。戦闘への恐怖、昂ぶった体を鎮るため、人肌恋しさ、興味本位、私への好意。様々な理由から私と一夜を共にした艦娘たち 内心Nice boatな展開になるのではと危惧していたのだが彼女達の間で暗黙の了解ができたようで私の首はまだ胴体とくっついている。 「ね?」 と笑う能代にキスを返す。行為を私から迫ることはないがそれは下半身の緩さの言い訳にはならない。きっと私はろくな死に方はしないだろう。 「はむ…くちゅ…ふぁあ…」 発情した阿賀野の顔に確りと愚息は反応、それを察したのか阿賀野の手袋をはめた手がズボンのチャックを外す ぶんっと勢いよく飛び出した我が愚息を阿賀野は手探りで掴むとゆっくり扱き始める。たどたどしいながら緩急をつけたり鈴口を苛めカリを刺激してくる 「くちゅぐちゅ…ぴちゃ」 と唾液の交じる音も呼吸と共に激しくなる ぴくんと膨れ白濁が勢い良く放たれ阿賀野の手袋を汚す 「はぁはぁ…」「ふぅ提督さん気持ち良かった?」 手袋を外し私の頬を撫でてくる。つい一週間前まで何も知らない、しかも今回で二回目とは思えない手つきだ 「どこでそんな手の動かし方を覚えた?」「説明書を読んだのよ」 と能代から渡されたメモ帳を取り出した 「金剛さん達から提督さんの悦ぶ方法を聞いて纏めてたみたいなの」 そう言いながら服、スカートとパンティを脱ぐ。 「次は阿賀野に宜しくお願いしまぁす」 と私の右手を自らの股間に誘う 「全く変態姉妹め」「うふふ、提督さんだからよ?」 右の人差し指が阿賀野の膣に飲み込まれてゆく。肉付き良く程よい締め付けで指が包まれる。 目の前には豊満に実った2つの胸が揺れ、先端のピンクの乳首は自己主張をするかのように堅くなっている 「ふぁあん!」 堪らずしゃぶりつけば柔らかく舌を弾く乳房とコリコリと甘噛みしやすい乳首。左手は阿賀野の少しぽっちゃりとした脇腹と尻を揉みしだく。 クチャクチャと股間の水音が大きくなるのを確認し中指と薬指が膣内に侵入する。 バラバラと動く三本の指にビクンと阿賀野が震える。 「あっあん!提督さんっ!スッ、ストップ!」 指の動きを緩やかにするともじもじと太ももをそりあわせる 「どうした?」「あん、漏れちゃうぅ、指止めてぇ…」 と尿意を此方に訴える。別に尿を引っ掛けられる事など数回は体験している、気にはしないのだが 「そうか、ちょっと我慢しろ」 名残惜しく阿賀野の体を離し部屋の角にあった空の高速修復剤のバケツを持ってくる 「ほら、これにしな」「ふぇ!?」「恥ずかしいぃ…」「嫌ならいいさ。このままトイレまで運んでやる」 耳まで真っ赤になる阿賀野にぞくりと背が震える 「ほら見ててやるから」「提督さんは変態よ…」 観念したらしくバケツの上に屈む。チロチロと黄色の液がバケツに滴り次第に勢い良く放たれる 「おー、いい勢い」「やぁ…見ないでぇ…」 顔を手で隠しながらも放尿は止まらない。数秒の後ポタポタと雫がたれる。 バケツをどけ阿賀野を床のカーペットに押し倒しクンニリングを開始する 「てっ提督さんっ!汚いから」「くちゅくちゅ…れろぉ…」「やん、待って!あっ来ちゃう!ふぁ…あう」 ピクピクと阿賀野は痙攣し力が抜けてまだ出し切れない尿が溢れる。それを舐め取る 「はぁ…おしっこ舐めるなんてぇ…」「出た直ぐは無菌だし血の上澄み液見たいなモンだ」「そういう事じゃ…」 会話を遮り勃起したままの愚息を突っ込む 「ひゃん!」「なんだ、愛液も舐め取ったのにすぐ濡れてるじゃないか。小便見られて、舐められて興奮したか?」 パチュンと肉と粘液がぶつかる。 「提督さんっ!あん、気持ち良いっ!」「阿賀野!阿賀野!」 くちゅと唇が重なり舌がからむ。もはや阿賀野は自身の尿を舐めたとか関係なくただ気持ち良くなろうとひたすらに私を求め、私も阿賀野の全てを求める ごぷどぷと精が放たれるがそれでも二人は交わり続けた 「ん」 時刻は夕刻。阿賀野は提督の私室の布団で目覚める。体は綺麗に拭かれ服はちゃんと着させられている 「あっ」 ただ性器から漏れた精液と胸元に赤く咲いたキスマークが先の事情を思い出させてくる 枕元に置かれたメモ帳に「提督さんはおしっこが好き」と書き阿賀野は再び眠りに着いた その後司令室で排泄をしようとする艦娘が現れ提督が必死に止める姿が目撃されたのは別のお話
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286 :名無しさん@ピンキー:2014/03/25(火) 02 02 38.15 ID QdtMc50L 渋で艦娘たちの戦後っていうタグを見つけた時に思いついたネタ投下します 「あら、いらっしゃいませ」 ある小さな飲み屋街の一角の小料理屋「鳳翔」に一人の男が現れた。 まだ開店してから一年と経ってないこの店はしかし、 女将の気立てと古き良き日本の家庭料理を売りに順調に常連客が増えてきている。 「随分今日は静かだね」 カウンターに座った男は、タオルで顔を拭きながら馴染みの女将に話しかける。 いつもは仕事帰りのサラリーマンで賑わうこの店だが、今日はこの男しか客がいない。 「世間様は、今日はお休みですからね」 そう答えながら、女将は冷奴の皿を客に出す。 鯵のたたきと冷奴にお湯割りが二杯というのがこの客のいつものメニューだ。 常連の好みをしっかりと覚えているのもこの店が人気の秘訣だろう。 「実は、都合で今度引っ越すことになってね。ここに来るのも今日が最後かもしれない」 「あら、そうでしたか……寂しくなりますね……また近くに寄ったら是非いらしてくださいね」 帰り際、名残惜しそうな女将に見送られて夜の街を歩く男の耳に並びの居酒屋の裏口から漏れたテレビの声が聞こえてくる。 「終戦から二年目を迎えた今日、各地では―」 テレビの声が伝えている通り、二年前のこの日、人類と深海棲艦との戦争は深海棲艦の無条件降伏という形で終わった。 二年前、対深海棲艦に本腰を入れた世界各国は強力な対深海棲艦兵器を多数開発し、前線に配備した。 これにより、人類と深海棲艦との戦争はそれまでのシーソーゲームから戦争とも呼べないような一方的な殲滅へと変わり、 それまで主力であったはずの艦娘は新兵器の撃ち漏らした敗残兵を始末するだけの存在となった。 それから数か月後、深海棲艦側の代表団が降伏文書に調印し、彼女らはほとんどの版図と引き換えに僅かな生き残りの命の保証を得た。 その時に設定された深海棲艦居住区から彼女達は出ることを許されず、周辺諸国により厳重な監視下に置かれることとなった。 負けた彼女達は悲惨だが、勝者にも悲惨な者はいる。 戦争の終結とともに、行き場を失った提督と艦娘達だ。 戦争初期の功労者達の処遇は、大規模な軍縮を余儀なくされた対深海棲艦軍において最も大きな問題ではあったが、部外者からはどんな問題も小さな問題に思えるらしい。 折悪しく戦争終結により支持率が上がっていた当時の政権に対し、野党は膨れ上がった対深海棲艦費用を追及。 これにメディアが同調し不要となったはずのこれらの負担が国民生活を圧迫していると主張すると、 批判を恐れた政府はそれまで計画されていた段階的な縮小からより急激な縮小へと変更。 結果として当初の想定をはるかに上回る勢いで元提督と元艦娘が各地に溢れかえり、これらを対象としていた再就職支援はパンク状態となったが、 それでも強引に推し進められた縮小計画によってほとんどの者が何のあてもないまま路頭に迷うこととなった。 そしてその無数の元提督の一人が、この男である。 「おい、待てよおっさん」 喧しいネオン街に差し掛かった所で、この元提督は呼び止められた。 声の方を振り返ってみると一組の若い男女が近寄ってくる。 既に悪趣味の域に達している派手なシャツの男がくすんだ金色の髪の毛の下から元提督を睨みつけ、人の女に色目を使っただのなんだの騒いでいて、 女の方は金髪の少し後ろでにやにやと成り行きを眺めている。 元提督は一瞬口元に笑みを浮かべ、金髪が騒ぐまま路地裏へ消えていく。 一分もせずに元提督がズボンのポケットに一万円札を一枚追加して大通りに戻ったとき、女の方はいなくなっていた。 強いと思っていた彼氏が、しょぼくれたおっさんに一瞬で伸されたのだから無理もない。 「つまらないな」 誰に言うでもなく元提督は呟く。 軍を放り出されてから何度かこういう喧嘩をしたが、いつもこんな終わり方だ。 結局絡んでくるのは酔っ払いか、女の前で粋がっただけの不良が関の山で、それまでの命がけの戦争と比べればままごとの様なものだ。 そういう場合は今回のように財布からいくらか抜き取ってきているが、 迷惑料と生兵法は大怪我のもと―具体的には陸戦隊あがりで師団対抗の柔道大会において九十キロ級準優勝の有段者には喧嘩を売らないこと―の授業料としては破格の筈だ。 それにあの金髪が多分人生で初めてごみ箱の中で目を覚ました時、すぐに必要となるであろう歯科と形成外科の受診料ぐらいは残してきた。 ―入れ歯の代金が受診料と別に前払いでなければの話だが。 「うるさいなぁ…」 元提督の後ろで、不機嫌そうな女の声がする。 「そいつは悪かっ―」 振り返った先にいた女を見て元提督は言葉を失った。 その女はひどくやつれ、長い黒髪は輝きを失って汚らしく、以前の姿からは想像もつかなかったが、間違いなくかつて自分のもとにいた第一艦隊旗艦だ。 「赤城か!?」 「提督!?」 赤城の方も相手が誰であるのか気付いたのだろう、元提督と鏡写しのように驚いている。 「ああっ、提督!本物ですか!?はははは、まさか…」 そういって赤城はばったりと倒れた。 「!?おい!しっかりしろ!赤城!!」 倒れた赤城を抱え上げた元提督の耳に大きな腹の音が聞こえた。 「うーん……うっ、ここは?」 次に赤城が目を覚ました時、最初に目に飛び込んできたのは見知らぬ部屋と元提督だった。 「やっと起きたか。安心しろ、ここは俺の家だ」 「提督!?夢じゃなかったんですね!!」 ぼろぼろの体のまま飛び起きた赤城は、提督を見て声を弾ませる。 「話は後にしてとりあえず風呂に入ってこい。…その、なんだ……女が臭うのはあまりよくない。幸い今月はまだガスが使える」 そういわれて自分がどういう状態なのか思い出した赤城は、真っ赤になって顔を伏せると 「すみません……ではいただきます」 消え入りそうな声でそう言って風呂場に向かった。 しばらくして風呂から上がった赤城は、在りし日の姿に戻っていた。 心なしか顔にも血の気が戻ったように見える。 「俺のしかないが我慢してくれ。んで、そいつを着たら飯を食え。また倒れられても困る」 適当に畳まれたままの提督の古いシャツを着て、赤城は何度も礼を言い、卓袱台の上に広げられた食事を無我夢中で流し込んだ。 一切れだけ残っていた小ぶりな明太子とパサパサに乾いた温め直しの冷や飯と買い置きされていたインスタントの味噌汁。 これだけでも、今の赤城にとっては十分すぎるほどのご馳走だった。 「ご馳走様でした」 全て平らげてようやく人心地ついた赤城に提督は切り出す。 「なあ、今まで何をしていた?」 赤城は顔を赤らめて、ばつが悪そうに俯きながら答える。 「行き場も仕事もない女のすることなんて……提督だってお判りでしょう」 「まぁ、な」 「当然最初は普通の仕事を探しましたけれど、何にもないんですよ艦娘って。何の仕事もないんです。 それで仕方なく…でも、その……どうしても苦手で……その、知らない男性とそういうの…」 「そうだな…そうだよな」 俯いて寂しそうにそう答える赤城に、元提督もため息交じりに呟く。 「俺も似たようなものさ」 元提督だって同じような経験をしてきた。 軍を放り出された後、方々で仕事を探したが、何もありはしなかった。 数えるほど少ないがチャンスも巡っては来たものの、戦争帰りというのがわかるとそれだけで敬遠され、雀の涙な日雇いの賃金で何とか食いつなぐのが精々だった。 ようやく入居できた今時共同トイレなこの空き室だらけのボロアパートも、特に問題を起こしたわけではないが、今月中に出ていかねばならない。 ―理由など聞きたくもないが。 「お前の身の上はわかった…… ところで、悪いとは思ったがお前の着ていた服を調べたらこんなものが出てきたんだが、これは何か教えてもらえるか?」 透明なビニールの袋を卓袱台の上に置く。 中には小麦粉のような白い粉。 「……」 赤城は黙って俯いたままだ。 「なあ、これは何なんだ?」 ゆっくり諭すように繰り返し尋ねる元提督に赤城は何か決心したように顔を上げ、それでも伏し目でぼそぼそと口を開いた。 「……市販されていない…ビタミン剤です」 言い終わるか否かのうちに元提督は卓袱台を飛び越えて赤城を押し倒し、胸ぐらをつかんで馬乗りになった。 「ふざけるな貴様!!娼婦になったのは分かる。客が取れなくなってひもじい思いをしたのも分かる。だがこれはどういう事だ!!!自分が何に手を出したかわかっているのか!!」 「…落ち着いてください提督。私は商品には一度も手を出していません。それは試供品として渡されたものです」 自分の下で自嘲的な笑みを浮かべながらそう答える赤城を元提督は更に強く締め上げる。 「商品だと?貴様は…」 「そんな事はしないと思っていましたか?」 先程までの悲しい笑顔は消え、真剣な目で元提督を睨みつけながら、赤城は言葉を遮った。 「言いましたよね。艦娘には仕事がないって。三つしかないんですよ。体を売るか、薬を売るか、その両方を売るか。 鳳翔さんみたいな例外を除けば少なくとも私の周りはみんなそうでした。だって仕方がないですよ。私達は戦争以外なにも知らないんですから」 「……」 「ご飯、ありがとうございました。お風呂もありがとうございました。それにあの頃はとても言い足りないくらいお世話になりました。 でも、もうお終いなんですよ。提督がもう提督でないように、私ももう赤城じゃないんですよ」 赤城の声が震えはじめ、目に何かが光る。 「離してください。もう他人なんですよ私達は」 「赤城、お前は…」 「もう赤城じゃないんですよ。もう提督の…あなたの部下じゃないんですよ…だからもう離してください」 「赤城…」 「私をあそこに戻せないなら、もう離してください……お願いですから…」 いつしか元提督の手は力が抜け、ただ赤城の胸ぐらに引っかかっているだけとなっていた。 「おい赤城―」 「もうお説教はしないでください!!大体、私にお説教なんてできるんですか?」 真っ赤になった眼で赤城は元提督を睨みつける。 「提督だって酔っ払い殴ってるだけのくせに……提督だって碌なことできないくせに……提督だって、提督だって……」 そこが赤城の限界だった。 「提督だって戦争しかできないくせに!!!!」 そう叫ぶと堰を切ったように赤城は泣きだした。 大粒の涙が滝のように流れ、子供のように泣きじゃくった。 元提督はすでに両手を離し、ただ泣きじゃくる赤城を見下ろしていた。 どれぐらい時間が経っただろうか。 赤城はそれまでの二年間耐え続けてきたのであろう涙を流し、もう自分は何にもなれないということを改めて実感することで泣き続けている。 元提督は何も言わずに赤城を抱き起し、泣き止むまで母親が子供にするように背中をさすり続けた。 やがて落ち着きを取り戻し始めた赤城に、元提督はゆっくりと諭すように言った。 「なあ、赤城。今俺のポケットに一万円入っている。この部屋中かき集めれば多分もう一万円ぐらいはある筈だ。計二万でお前を買えるか?」 しゃくりながらではあったが赤城は答える。 「ぐす…はい……ひぐっ、買えます」 「そうか、じゃあお前を買う。そしたら今日で娼婦も薬の売人もやめてくれ。それで……俺と一緒に戦争をしよう」 「え?」 「戦争だ。敵はいくらでもいる。 俺達に守られながら俺達を見捨てた者。お前に汚い真似をさせながら食い物にしている者。財布の中の一円五円のためにそれを放置している者。 その他にもいくらでもだ。俺達が満足するまで、俺達のための戦争をしよう」 「本気……ですか?」 呆気にとられている赤城に、元提督は自らの考えを打ち明ける。 何も今思いついたことではない。本当はもっとずっと前から気付いていて、ただそれを実行に移す踏ん切りがつかなかっただけだった。 だが、赤城と再会したことで、落ちぶれて傷ついた彼女を見る事で、ついに実行に移す決心がついた。 説明を聞くうちに、赤城もそれが最良の手段であり、今の惨状から抜け出す唯一の方法であるように思えてきた。 「わかりました。やりましょう。私と提督の戦争を」 「そうか!やってくれるか!!ありがとう赤城」 二人はまた抱き合い、そして見つめあった。 「でも、本当に私を……買ってくださるのですか?……私は…汚れていますよ」 「汚れてなどいるか。必死で生きていたお前が、汚れてなどいるものか」 その言葉を合図に、二人は唇を合わせる。 くちゅくちゅと互いの舌を絡ませ、同時に両手の指も同様に絡ませる。 先程と同様に、赤城を下に元提督が上になって横になり、赤城は両腕を元提督の背中に回し、抱きしめるような形を作る。 やがて光る糸を引いて唇を離すと、元提督は下を脱いで一物をさらけ出し、赤城も大きな男物のシャツを脱いで一糸まとわぬ姿となると、 うるんだ瞳で元提督のそれを眺め、次に自分が何をすべきかを一瞬考え、すぐに実行に移す。 上体を起き上がらせると丁度目の前にある元提督のそれを咥え、チロチロと舌先で触れはじめる。 やがてそれの大きさと比例して、先端で触れるだけだった赤城の舌は徐々に根元から先端までを舐め上げる動作に変わり、さらにそれを膨らませる。 「ん……む…んん、…ぷはっ」 やがて膨張したそれから飛び出した白濁液が赤城の口の中いっぱいに広がり、 口から離した際に顔にもかかったが、それを気にすることもなくにこりと笑顔を向ける。 「ふふ。提督の、美味しいです」 「食い意地は変わらんな」 からかうように元提督が言うと赤城は泣き腫らした目で少し恥ずかしそうに笑った。 「さて、今度は俺の番か」 「え?何をすひゃあ!」 赤城の体は電流が流れたようにビクンとのけぞり、それにも構わずその反応の原因である元提督の舌が綺麗に剃られた股間を這う。 「随分綺麗に剃ったな」 「ひゃれは、ひゃん!この方ふぁ、おひゃくはんが!よろひょん……ふああっ!」 呂律が回らないままの赤城は、元提督の舌の動きに合わせて嬌声を上げ、そして嬌声を上げる度に自分が唾液以外で濡れていくのを感じる。 「ふあっ!は!あぁ!ひゃああっ!!」 体をビクつかせる赤城を元提督の舌が愛撫し、存分に赤城を味わおうとヌルヌルと滑らせていく。 やがて頭を上げた元提督は、上気して色香を放つ赤城の柔らかな太ももを抱えて起き上がると、十分に濡れた赤城の中に入り込んだ。 「あっ!んっ!ああっ!ああああ!」 元提督が中で動き、その度に赤城が先程より大きな声を上げる。 生娘に比べれば少し締め付けは弱いが、それでも咥え込んだものを吸い込むように包んでいく。 「世間のっ、男はっ!くっ、見る目がないな」 「ひゃあ!ふっ!くぅ!ああっ!ふああっ!!」 ずんずんと進む元提督のそれは、ついに赤城の最奥部に到達し、その中で小動物のように動き回る。 「ひゃあん!!提督っ!提督ぅ!ふひゃあああああっ!!!」 赤城の体はビクンと大きく跳ね、はぁはぁと荒い息遣いとそれに合わせて上下する形の良い乳房以外は糸が切れたように動かなくなった。 元提督は赤城から一物を引き抜くと、足元に倒れている赤城を優しく抱き上げる。 「お前……痩せてしまったな……」 元提督は裸の赤城を見るのは今日が初めてだが、少なくとも昔抱きしめていたら、あばら骨に指が触れるようなことは無かったはずだ。 全て終わった後、元提督は赤城の体を使い古した手拭いで丁寧に拭いていく。 「明日、今の文の二万で準備してくれ。そしたら始めよう」 赤城の全身を拭き終わると、二人は再び濃密な口づけを交わす。 「きっと楽しいぞ」 「勿論です。二人でずっと」 唾液を光らせて口を離した二人は、悪戯を思いついた子供のように笑いあった。 これより数日の後、大家がこの部屋を訪れると、今まで世話になった事への感謝を綴った置手紙だけを残し入居者は忽然と姿を消していた。 その後、男女二人組の暗殺者が裏社会に現れる。 莫大な報酬と引き換えに困難な依頼も確実にこなす二人は、元提督と元艦娘であるということ以外ついに引退まで誰もその正体を知る者はいなかったという。 終